誰でもわかる先天性心疾患

先天性心疾患など小児循環器をなるべくわかりやすくお話します。主に看護師さん向けですが、小児循環器を専門としない医師向けの内容も多く含まれています。教科書ではわかりにく内容の理解の助けになればと思い書いています。

不整脈

不整脈:抗不整脈薬について めちゃくちゃ簡単に解説 基本49〜

かなり久しぶりです。DORVの話をしていましたが、なかなか進まなくてすみません。また必ず続きも記載しますので、今回はちょっと簡単な話をさせてください。前、不整脈の勉強会(なぜか不整脈の勉強会をよく頼まれます)をしたのですが、そこで少し話をした内…

不整脈:異常自動能(abnormal automaticity) EAT(異所性心房頻拍)、MAT(多源性心房頻拍)、JET(接合部異所性心房頻拍)について 上室性頻脈(SVT)全般の治療   〜基本48〜

今回からはSVTのもう一つの機序、「異常自動能」について話をしていきます。異常自動能はリエントリーとは違ってだいぶわかりやすいです。特徴もリエントリーとは全く違うので、リエントリーとの違いを意識しつつ、頭にいれていくといいかと思います。不整脈…

不整脈:上室性頻脈(SVT) IART(心房内回帰性頻拍)、AFL(心房頻拍)について  〜基本47〜

長々とおやすみしていてすみません。久しぶりに不整脈の話の続きをしようと思います。 前回まではAVRTとAVNRTの話をしました。今回はリエントリー性のSVTの最後、IART(心房内回帰性頻拍)の話をしていきたいな、と思います。実際、先天性心疾患を扱っている…

不整脈:上室性頻脈(SVT) AVNRT(房室結節回帰性頻拍)について  〜基本46〜

今回はAVRTの次に多い、と言われるAVNRTについて説明します。と言っても僕もこれを語れるほどよくわかってはいないので、かなり説明が足りないかもしれませんが、ご了承ください。という事でとりあえず、AVNRTやっていきましょう。まずAVNRTもAVRTと同様リエ…

不整脈:上室性頻脈(SVT) AVRT(房室回帰性頻拍)について  〜基本45〜

今回はAVRTについて話をしていきます。前回でリエントリーの事はわかってもらえましたか?とにかく、どこかの周りをグルグル回る不整脈、これがリエントリーです。なので、頻脈中の心拍数は一定だし、突然始まったり終わったりするし、DCとかが効くのが特徴…

不整脈:上室性頻脈(SVT) リエントリーについて  〜基本44〜

今回は上室性頻脈の中でもリエントリー性のSVTについて話をしていきます。前回は上室性頻脈にはリエントリーと異常自動能(とトリガードアクティビティ)があるという話をしました。トリガードアクティビティは無視でよく、リエントリーと異常自動能をしっか…

不整脈:上室性頻脈(SVT) 総論について  〜基本43〜

今回から上室性頻脈にいきたいと思います。上室性頻脈は心室より上、つまり心房や房室結節で起こる不整脈の事を指しています。みなさんが、ATとかJETとかAFLとか言っているのは全部上室性頻脈(SVT)です。ここが不整脈でもかなり大事なところなのですが、苦手…

不整脈:心室性期外収縮(PVC)について  〜基本42〜

前回はPACをしたので、今回はその親戚みたいなPVC(心室期外収縮:premature ventricular contraction)について話をしていきます。PVCは最もよく見る不整脈の一つです。健診とかでも結構引っかかってくる不整脈ですね。PVCは普段の脈と関係ないタイミングで心…

不整脈:心房性期外収縮(PAC)について  〜基本41〜

今回は心房性期外収縮について話をしていきますね。PAC(premature atrial contraction)とよくみなさんが言っているやつの事です。前回の不整脈の表を見ると、PACは上室性不整脈にあたります。上室性不整脈っていうのは、心室より上(大雑把に言うと心房)か…

不整脈:不応期について 上室性頻脈(SVT)の前に 〜基本40〜

今回からまた不整脈に戻っていきます。今回からは下の図の不整脈の真ん中に当たる、上室性不整脈について話をしていきます。この話をする前に前提の知識としていくつか押さえておいてほしい話があります。それは ・刺激伝導系について ・wide QRSとnarrow QR…

不整脈:房室ブロック(AVB)について その2:Ⅰ、Ⅱ度房室ブロックと高度房室ブロック 〜基本32〜

前回はCAVBについて説明しました。今回はその続きです。今回の内容は小児に特化したところでもないので、大人の循環器の本を読んだ方がいいかもしれませんが、せっかく作ったのでちょろっと見ていってください。あまり重要ではないと思うので、適当に読んで…

不整脈:房室ブロック(AVB)について その1:CAVB(完全房室ブロック) 〜基本31〜

前回は洞不全症候群(SSS)について話しました。洞結節やその周辺を傷つけてなる徐脈でしたね。原因は多くは手術時のSVCの切断や心房操作などsinus node arteryや刺激伝導路を傷つける事が原因でしたね。よく起こる手術としては、FontanやGlenn手術、TAPVCやAS…

不整脈:徐脈:洞不全症候群(SSS)について 〜基本30〜

もともと不整脈の大枠について、と今回のSSSの記事は一緒に書いていましたが、ちょっと分けたほうがわかりやすいと思い、わけて書いています。前回の記事で不整脈の大体の全容を掴んでもらった方が、ここからの話もわかりやすくなります。一応、僕が勝手に不…

不整脈:不整脈の大枠ついて 〜基本29〜

不整脈ってどんなものがあるか思い浮かびますか?国家試験でも出てるし、舐めんなよって思ったかもしれませんが、ここはスワヒリ語の如く不整脈が苦手な人が来ているはずなので、不整脈の大枠から話していきます。細かい事言うと余計わからなくなりますので…

不整脈:心拍数の数え方ついて 〜基本28〜

長い間おやすみしていて申し訳ありません。なかなか不整脈の記事を書くのが難しくて難航していました。前の記事の心電図とwide QRSについての話は大丈夫でしょうか?簡単に復習すると、 ・心電図はⅡ誘導だけ見よう! ・前の心電図と比べよう。 ・刺激伝導系(…

不整脈:wide QRS、右脚ブロック(RBBB)、左脚ブロック(LBBB)について 〜基本27〜

wideQRSは1回でやるつもりでしたが、なかなか長くなってしまったので、今回はwide QRSの続きをします。wide QRSになるものとしては以下のものがありました。 ・心室性の不整脈が出た時。 ・ペースメーカーで心室をペーシングした時。 ・WPW症候群で副伝導路…

不整脈:wide QRSついて 〜基本26〜

前回で心電図について話をしました。 ・心電図はまずⅡ誘導を見て、後の誘導は前の心電図と比べる。 ・1心拍は「P波⇢QRS波⇢T波」で構成される。 ・洞結節(sinus)から心房に電気が伝わり心房が収縮:P波 ・心房の血液が心室に充満するまで房室結節でタメを作…

不整脈:心電図について 〜基本25〜

今日からはみんな大好き、不整脈について話をしていこうと思います。はじめに断っておくと、僕も不整脈は苦手です。あまり得意ではありません。なので、不整脈を専門にされている先生はこのブログを見ないようにしていただきたいな、と思います。怒られそう…