誰でもわかる先天性心疾患

先天性心疾患など小児循環器をなるべくわかりやすくお話します。主に看護師さん向けですが、小児循環器を専門としない医師向けの内容も多く含まれています。教科書ではわかりにく内容の理解の助けになればと思い書いています。

Qp/Qs(肺体血流比)について考えよう! 基本5

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Qp/Qs(肺体血流比)を覚えておこう!

ここで一つ専門用語のお話をします。

肺にたくさん血液が流れる事がhigh flowだとわかったと思いますが、

どれくらいたくさん流れるか、というのを表すのがQp/Qsです。

Qp/Qsのpはpulmonary(肺)のpで、sはsystemic(体)のsです。

 

これはSpO2で計算することができ、カテーテル検査をするとわかります。

エコーでも推測する事ができます。あまりあてにしていませんが。。。

カルテやカテーテル検査の結果に書いてあると思うので見てみてください。

 

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Qp/Qsについて説明

図:肺体血流比の説明

 

例えばQp/Qs=2.0 と書いてあれば

肺には体の2倍の血液が流れている、という意味になります。

Qp/Qsが1以上であれば、肺の方が流れている血液量が多いということになり、

Qp/Qsの値が大きいほど、high flowが強い、という事になります。

ちなみにASDやVSDの手術適応はQp/Qs≧1.5になります。(臨床の場ではすごく重視しているわけではありません。ひとつの参考程度です。)

印象としては2以上のhigh flowは結構しんどい印象です。

あまり新生児でカテーテル検査をしませんが、high flowでしんどい児はQp/Qs≧2〜3くらいはあるのではないかと思います。

 

今回はQp/Qs(肺体血流比)という言葉の紹介でした。

覚えておくといいかもしれません。

次回はQp/Qsの計算について話します。

看護師さんは計算することがあまりないと思いますが、Qp/Qsの計算について説明します。

次回の計算については見なくてもいいかもしれません(笑)