誰でもわかる先天性心疾患

先天性心疾患など小児循環器をなるべくわかりやすくお話します。主に看護師さん向けですが、小児循環器を専門としない医師向けの内容も多く含まれています。教科書ではわかりにく内容の理解の助けになればと思い書いています。

ハイフロー(high flow:高肺血流)って何? 基本1

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この回から具体的に先天性心疾患について説明していきたいと思います。

正常と比べてどうなっているのか?を意識しながら考えるとわかりやすいかと思います。

はじめに断っておきますが、専門家から見ると、違うところもあるとは思いますが、理解するため、話を簡単にするため、とご理解ください。

 

先天性心疾患ではまず意識してほしいのが、

「肺に流れる血液が多くなるのか、少なくなるのか」と言うことです。

結論から言うとハイフロー(high flow)と言うのは肺に血液がたくさん流れている状態をさしており、たくさん流れるとしんどくなります。

 

ハイフローって何?

皆さん、ハイフローって聞いたことありますか?

よく医師がハイフローって言ったりしているのを聞いていると思いますがどうでしょうか?

僕もこの言葉を聞いたのは研修医2年目の時でした。

恥ずかしい事に、当時は当然のように使われている、この言葉の意味が全くわからず

ハイフローは「肺フロー?なんの略かな?」と考えていました。

わからなかったので、本で調べようとしたこともありましたが、本にはのっていませんでしたし、その時はよくわかりませんでした。

しかし、この言葉を理解する事は先天性心疾患を理解する上で非常に重要なので、ぜひ覚えておいてください。

ハイフロー=high flow(高肺血流)です。

つまり、肺に血液がたくさん流れている状態を「ハイフロー」と言っているのです。

肺フローではなかったようです(笑)

 

まとめると、肺に血液がたくさん流れている事をhigh flowといいます。

よく使いますので、覚えておいてください。

肺に血液が多くなるとしんどくなる

次に重要な事は

「肺に血液が多く流れるとしんどくなる(心不全)」

と言う事です。

単純にこう覚えて頂くと話がわかりやすくなります。

よくある勘違いとしては、「酸素濃度が低くなったら心不全?しんどくなる?」と思っている人が少なからずいるようですが、違います。

赤ちゃんはお腹の中にいる時に結構酸素濃度が低い状態で暮らしてきているので、酸素濃度が少し低いくらいは全くへっちゃらです。

とりあえず、今のところは、赤ちゃんがしんどくなるのは、「酸素濃度が低いからではなく、肺に血液が多く流れるから」と覚えてください。

では、長くなってしまうので、次回、具体的な疾患で説明していきます。